情報デザインの視点を取り入れた計測・制御システムの制作
- センサからの入力情報を、直接的なアクチュエータの制御だけでなく、ユーザーの判断や行動を促すための視覚的・聴覚的な情報として出力するシステムの設計とプログラミングを理解する。
- 日常的に利用されている情報出力型のシステムやサービスの事例を通して、センサ情報の多様な活用方法とその意義を理解する。
- センサなどから得られた情報をいかに人に伝えるか、行動につなげるかという点に着目して、身の回りの課題解決を考えた。
- 計測・制御システムを構成するセンサやアクチュエータについて学習したのち、M5Stackを使用することで、各種センサから入力した情報をコンピュータが処理し、アクチュエータに出力する計測・制御システムの設計にとどまらず、センサやアクチュエータの選定など、システムの設計も扱った。
- この際、ピクトグラムやブザー音などを工夫することにより、利用者にも何が起こっているのか、何をして欲しいのかを早く正確に伝えることができることも学んだ。
授業の流れ
第1時:計測・制御システムとは何か
- センサ→コンピュータ→アクチュエータの情報の流れを学ぶ
- エアコンや自動運転車などの例から、システムの構成を理解する
第2時:M5GOで順次・反復処理を体験する
- M5GOとiPadを使って、LED点灯などのプログラミングに取り組む
- 順次処理や反復処理の考え方を学ぶ
第3時:センサによる計測と条件分岐の活用
- 加速度センサを使って傾きを計測し、表示やブザーで知らせる
- しきい値や条件分岐を用いた「転倒警報システム」を考える
第4時:情報デザインで伝わる表現を考える
- ピクトグラムやインフォグラフィックを活用して表現方法を考える
- Pixnoteで作成した32×32ピクセルの画像をM5GOに表示する
第5〜6時:人を助けるシステムを完成させよう
- センサやボタンの入力をもとに行動を促すシステムを設計する
- 生活や社会の課題を解決するアイデアを形にしてふり返る
計測・制御システムに必要なセンサやプログラミングについての学習だけでなく、ドット絵や画像のデジタル化についても同単元内で学習した。情報デザインの観点から、ドット絵でピクトグラムを制作し、課題の解決に生かすように指導した。ピクトグラムは美術科でも学習する内容だが、技術で学習することにより、ピクトグラムを制作するだけにとどまらず、システムとして動作させることで、利用者の反応までイメージした学習が行えると考える。
音のデザインについても、今回は簡単なブザー音しか使用できなかったが、警報音の高低やリズムなどによって緊急度合いなどをユーザーに伝えることができるだろう。