生成AIの利点と共に「鵜呑みにしてはならない」という留意点を教員から示すだけでなく、生徒たち自身に実感してもらうことを念頭におきました。そのためには、「自分たちにとって身近なこと」をテーマとすることで、違和感や疑問に気づきやすくなると考えました。実際に、生成AIから奄美大島と沖縄などが混同された回答がされるなど、生徒は実感を持って生成AIへの違和感や間違いについて感じ取ることができました。
島の高齢化は大きな問題で、若者が島から離れていってしまうこと、自分たちの故郷について誇りを持てていないのではないかという先生方の問題意識がありました。旅行者へのアピールというテーマを設定することで、観光産業の振興というだけでなく、改めて自分たちの住む島の魅力を再発見できるのではないか、という目的がありました。発表後の感想では、生徒たちから「自分の住む島にも意外と知らないことがあった」、「近隣の島の魅力を知ることができた」などの意見が挙げられました。
この講座は、大島地区高等学校商業教育研修講座の一環として開催されたもので、奄美大島、喜界島、鹿児島本土から6校の高校生が参加しました。
はじめの1時間は、生成AIの利用に慣れてもらう目的で、みんなのコードが提供する「みんなで生成AIコース」を生徒に自由に使ってもらった後、意見を共有しました。
「個人情報を入力しない」
「誤りを回答すること(ハルシネーション)がある」
等について確認しました。
続いて、生成AIを使って「島の魅力を伝える観光プランの作成」を行いました。
プラン作成の流れとして、
を提示し、3名から4名のグループごとに2時間のワークを行いました。
各プランはグループごとにスライドの形式でまとめ、各班5分程度の発表を行いました。発表はオンライン会議で各学校とつなぎ、奄美群島の各島々からも発表がありました。
「高校生最後の恋する奄美バイク旅」
「漢旅 マッスル編(大学生のための筋トレ旅行)」
「東京在住、定年退職後の夫婦のための自然に触れる旅行」
など、個性豊かなプランが生まれました。各グループへの評価とコメントはGoogleスプレッドシートに入力しました。
授業後、生徒たちからは次のような感想が寄せられました。